お風呂で溺れるのは交通事故より確率が高い!?入浴時は気をつけて!

お風呂で溺れるのは交通事故より割合が高い!?入浴時は気をつけて!
健康

不思議! お風呂で「溺死」って考えられますか?

1日の疲れを癒やしてくれるお風呂。シャワーだけで済ませてしまうこともありますが、ゆっくりと浴槽に浸かってリラックスするのはやはりとても良い時間です。

そんなお風呂で溺れて亡くなってしまうという事故のニュース、残念ながらたまに見掛けますよね。

なぜ、浴槽で溺死してしまうのでしょうか?川や海、身長よりも深いプールならまだ理解できますが、浴槽の高さは一般家庭のお風呂であればどんなに高くても70cm~80cmぐらい。

中に張るお湯の「水深」はもっと浅くなるはずです。もちろん、足が付かないというような深さではありません。

そんな状況でなぜ「溺死」をする人がいるのでしょうか?今回は気持ち良いけどそんな危険のあるお風呂について、調査してみました。

お風呂で溺死する確率は、交通事故より高い!?

少し前のデータですが、2016年の「家庭の浴槽での溺死者数」は5,138人でした。事故の中でもよく耳にする交通事故と比べてみると、2016年の「交通事故での死亡者数」は3,904人で、浴槽で溺死してしまう人の方が多いことが分かります。

浴槽での溺死者数は2016年までの過去10年間で約8割増加しているのに対し、交通事故の死亡者数は年々減少傾向にあります。浴槽での死亡事故は、交通事故での死亡より、高い確率で起こりうるということが言えそうです。

ちなみに警察庁の統計によると、2017年の交通事故死亡者数は3,694人とのこと。現代は外よりも家での事故に気を付けなければならない時代なのかもしれません。

参考:毎年5千人が溺死するお風呂場で、安全に入浴するための注意(シニアガイド)
   【交通事故死者数・速報】全国は前年比210人減!さらに県別データを徹底詳解!(ニュース・ポスト)



原因はお風呂でのウトウト

実は筆者も一度だけお風呂で危険な目に遭ったことがあります。筆者はシャワーよりも浴槽が大好きで、毎日欠かさず浴槽にお湯を溜めて浸かるのですが、一度だけ浴槽に浸かりながら熟睡してしまったのです。

熟睡といっても5分ほどウトウトしているくらいのつもりだったのですが、しばらくしてはっと気が付くと、全く呼吸ができませんでした。そう、顔が浴槽に浸かってしまったのです!

すぐに呼吸をしたくて顔を上げようとしたのですが、体が思うように動かないのです。しばらくもがき苦しみながら、ようやく顔を水面から出すことが出来たのですが、まさに死にかけるところでした。

その日以来、お風呂で眠ることはやめました。

溺死するメカニズム

実は、医学的に言えば、お風呂で気持ちよくなってウトウトしている状態は「睡眠」ではなく「失神寸前、気絶」している状況に似ています。およそ42℃を超える熱いお湯に入ると、「驚愕反応」という現象が身体に起こります。

これは、熱さに驚いた身体の末梢血管が収縮して血圧が上がることを指します。この時に脳卒中や心筋梗塞を起こしてしまう方もいるそうです。

上がった血圧は、今度は一気に下がり始めます。その原因は大きく2つ。

「驚愕反応」の反動で上がった血圧を元に戻すどころかそれ以上に下げすぎてしまうという性質がひとつです。もうひとつは、熱いお湯に入った時には身体が赤くなるのと同じ原因です。

身体が赤くなるのは、皮膚近くの末梢血管が開いてそこに血液が集まっているからで、それにより身体の隅々に血液が流れていくため、血の圧力である血圧は下がることになります。急激に血圧が低下すると、脳に血液が行き届かなくなり、それが意識障害=失神を引き起こしてしまうのです。

自分では気持ち良く寝ているつもりでも、実はそれは「意識障害」である可能性が高いということなんです。

その状態では、もしも急に目が覚めたとしても、筆者が体験したように自分の体をコントロールできなくなってしまいます。顔が水面下に入ってしまっていたら、気づいたときには水の中で息ができなくなり、意識があっても体が自由に動かずに死んでしまうということになってしまうかもしれません。

参考:お風呂大変身! 超快感・安全入浴術(ためしてガッテン)

お風呂場で危険を防止するには?

気持ち良い反面、思わぬ危険がお風呂にはあるということです。とは言いつつも、それでもやっぱりお風呂でのウトウトは気持ちが良くてなかなか止められない!と思っている人は多いと思います。そこでお風呂での危険を防ぐポイントをまとめてみました。

1.入浴時間に気をつける!

お風呂に入る時の体調は大事です。極端に睡眠不足な時や、食事・飲酒直後の入浴は避け、長風呂はなるべく避けて入浴時間は15分以内をメドにすると良いでしょう。

2.浴槽に手すりをつける

お風呂での事故はお年寄りにも多く見られるので、バリアフリー化を兼ねて浴槽に「手すり」を取り付けるのも効果的でしょう。

3.お風呂用まくら!?

いやいや、どんなに気をつけたって寝てしまうんだ!という方は、思い切ってお風呂用のまくらを使ってみるというのはいかがでしょうか?探してみたらこんなものがありました!

サンパック お風呂用つぼまくら 普通サイズ

バスタブは滑りやすいので、頭を枕で固定することによって顔が浴槽に落ちることを防いでくれるまくらです。「つぼまくら」という名称の通り、ゆっくり入浴する際に首ツボを気持ち良く刺激してくれるんだそうです。

もちろん、あくまでもこれを枕にして熟睡して良いというものではないので、気をつけてくださいね!



お風呂は疲れを癒やしてくれるところ!

お風呂場は本来、疲れを取って、体をリフレッシュさせる場所。そこで体調を崩したり命の危険にさらされたりしては元も子もありません。

安心して心も体も健康的に癒せるように今一度、自宅のお風呂場やご自分の入浴スタイルをチェックしてみてはいかがですか?

【Q】入浴中に寝てしまった時間、最長でどのくらいですか?

お風呂に関するアンケート
 対象条件:お風呂で寝てしまったことがあるボイスノート会員
 回答者数:505人(調査日:2019/10/24~2019/10/25)
【Q】入浴中に寝てしまった時間、最長でどのくらいですか?

毎日のお風呂で浴槽に浸かるボイスノート会員1194人に「入浴中に寝てしまった経験」の有無を伺ったところ、505人が「寝てしまったことがある」と回答しました。その方々に、寝てしまった最長時間を伺ったのがこのグラフです。

2時間以上寝てしまったという方も2.8%!命の危険もですが、シンプルに風邪を引いてしまうという危険もありますので、皆さんくれぐれも気をつけてくださいね!

でも、何故かお風呂で寝るのって、気持ち良いんだよなぁ・・

編集部員S編集部員S