野菜の食べ方といえば、サラダ、煮物、炒め物、蒸し野菜、揚げ物など多くありますが、「干す」というのは、あまり馴染みがないのではないでしょうか?
最近、野菜を活かす方法として「干し野菜」への関心が高まっています。昔から、野菜を無駄なく使いきるために用いられていた干し野菜には、他の調理法とは違ったメリットが沢山あるのです。
干し野菜は「健康・美容・おいしい!」
【Q】「干し野菜」はご存じですか?
干し野菜に関するアンケート
対象条件:日本全国のモニターさん
回答者数:1000人 (調査日:2019/9/5~2019/9/6)
実はこれらも干し野菜。具体的な素材名を例にすれば、更に認知度は上がるかもしれませんね。
干し野菜の3大メリット
栄養価が高くなる!
干し野菜には様々なメリットがありますが、最も注目したいのは、栄養価が高まることです。天日干しで干し野菜にする事で、野菜に含まれるビタミンD・ビタミンB群・カルシウム・鉄分・ナイアシンがアップする事が報告されています。
ビタミンDには、骨を強くしたり風邪の予防が出来たり、さらに腸からのカルシウム吸収を促す働きがあります。ビタミンDが不足すると、実はいくらカルシウムを摂っても吸収されないのです。ビタミンDは、一般的には魚に多く含まれていると言われますが、干し野菜にすることで野菜の中でビタミンDが生成されるのです。
ちなみに、ヒトが日光浴をすることでもビタミンDが生成されるそうです。紫外線を浴びることで生成に繋がるそうなので、野菜にも日光浴をさせてあげることでビタミンDがアップするんですね。
参考:ビタミンDで丈夫な体づくり-かぜ・インフルエンザの発症予防にも-(全薬工業株式会社)
栄養価の違い、大根で比較
干し野菜の代表選手でもある「切り干し大根」で栄養価を見てみましょう。生大根と、同じ重さの切り干し大根を比較すると、エネルギーは約15倍、食物繊維は約16倍になります。
特にカルシウムが高く、生大根が23mgなのに対して、切り干し大根は540mgと、何と約23倍にもなるというデータがあります。
長期保存が可能!
長く保存できるのも干し野菜の魅力です。干して水分を抜くので、乾物と同じように長期保存できます。
干し野菜の保存方法は、一般的な乾物の保存方法と変わりません。干し野菜を保存する際には、密閉容器やジップタイプの袋などに入れて、直射日光の当たらない場所や冷蔵庫で保存しましょう。
特に数日間じっくりと天日干しして乾かした干し野菜なら、常温でも数週間~半年ほど保存が可能です。
うまみが凝縮される!
干すことで野菜の青臭さが抜けて、甘みが増します。野菜を干すと甘くなるのは、水分が抜けて味が凝縮するためです。
また干すことで野菜が温められ、酵素が活性化してうまみ成分が生成されることが考えられます。例えば野菜に含まれる酵素のアミラーゼは、天日によって活性化され、でんぷんを分解し、ぶどう糖や麦芽糖などの糖を作ります。さらに歯ざわりもよくなるので、風味も増して、より美味しく感じられます。
参考文献:干し野菜クッキング―ちょこっと干してうまみがぎゅっ!(本谷惠津子・著)(Amazon)
「干し野菜」ってどうやって作るの?
そんな干し野菜、その名の通り干すだけで簡単に作れます。基本的には細かく切って、ざるや網など上下から空気が通るものにのせて、置いておくだけ。
これだけの手間なら、冷凍野菜よりも簡単かもしれません!
基本的な干し方に加えて、ポイントは以下の通りです。
(切り方を工夫&通気性のよいものにのせて乾かす)
2.乾燥している日を選んで干し始める
3.アクの強い野菜は酢水に浸すなどしてアクを抜いてから干すと色がきれいに仕上がる
4.葉ものは、さっと茹でてから水気を絞って干すと乾きが早い
参考:【簡単! 干し野菜の作り方】腐らせそうな野菜は干せばいい! 野菜の旨味をギュッと閉じ込める乾物野菜のススメ
まだまだある!干し野菜の作りかた!
意外な野菜を干しちゃいましょう!
切り干し大根や、干し椎茸だけが干し野菜ではありません!こんな意外な野菜も干し野菜にできます。たとえば、パプリカ。干しても赤や黄色などの鮮やかさが保たれるので、サラダの彩りにもオススメです。
レンコンは、そのままノンオイルチップスとして楽しめたり、ニンジンはシャキシャキ感を残したまま長期保存できます。
参考:じわじわきてるブーム干し野菜◎種類別おいしい干し方ベスト10(RankingShare)
電子レンジでもできる!
軒先で切った野菜をザルに広げて干しているイメージがある干し野菜ですが、実は電子レンジでも簡単に作れます。
(切り方を工夫&通気性のよいものにのせて乾かす)
2.水に5分程度さらします。
3.水気を切って、お皿(ターンテーブルに直接でもOK)に並べて電子レンジで7~8分。
これでパリパリの野菜チップス状態になります。これなら天候や場所を気にせずに干し野菜がつくれますね。
手軽に作れて、たくさんのメリットがある干し野菜、いかがでしたか?干し野菜で野菜料理をワンランクアップさせてみては、いかがでしょうか?
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