アルコール耐性はどうつける?お酒の強さは鍛えられるって本当なのか!?

健康

お酒に弱い人は、飲み続けることでアルコール耐性を身につけられる!?

このページを読んでいるということは、あなた、さてはお酒が弱いですね

飲み会が減っているとか、「アルハラ」に気をつけましょうとか、お酒を取り巻く環境は変化しつつありますが、それでも日々の中でお酒を飲む機会や飲み会に参加する機会はあるものです。「酒豪」と言われるほど大酒飲みになる必要はないけれど、飲めるか飲めないかで言えば、お酒を飲めるほうがそうした場は楽しいのではないか、そう考える方も少なくないことでしょう。

よく言われるのが、「鍛えれば酒に強くなる」という話。もし鍛えることでアルコール耐性がつくのであれば、それはぜひ試してみたいですよね。「強い酒飲んでりゃ強くなるわ!ガッハッハ!」なんてこと昔親戚のおじさんに言われたことがあるようなないような
学校や職場でも、先輩や上司などに「とにかく量を飲み続けていると次第に強くなる」と言われることもありますよね。一方で、「アルコール耐性は生まれつきだから、いくら飲んで鍛えても、決して酔いにくい身体にはならない」と主張する人もいます。果たしてどちらが本当なのでしょうか。

今回は、そんな「アルコール耐性」について、そもそも「お酒に酔う」とはどういうことなのかと言ったところからしっかりと調べてみました。あなたの「お酒ライフ」に少しでも役立つことを願っております!

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アルコール耐性の有無とは、アルコール分解能力の差のこと!

まずは、「お酒を飲んで酔う」とはどういうことなのかから説明していきましょう。

お酒を飲むと、お酒に含まれるアルコールはほかの食べ物や飲み物と同様に胃や小腸で吸収され、血液に運ばれて肝臓まで到達します。ここでアルコールが分解されるはずなのですが、アルコールの分解には時間が掛かるため、分解されなかったアルコールはそのまま血液に運ばれて心臓に達し、心臓からさらに全身へと運ばれていきます
アルコールが脳に到達すると脳がマヒ状態となり、これが「酔う」という状態です。お酒を飲み始めてから酔うまでに時間が掛かるのは、血液によって脳まで運ばれる時間がそれだけ掛かっている、ということなんですね。よくマンガなどでお酒を口にした瞬間に泥酔する描写がありますが、それはきっとかなり血液の流れがとても速い人なのでしょう。

どのくらい酔っ払っているかという基準として聞かれるのが「血中アルコール濃度」という言葉。これは、このように全身に運ばれているアルコールがどの程度なのかを測るもので、これを基に脳がどのくらいマヒしているか、すなわちどのくらい酔っているのかを判断しているのです。

さて、脳をマヒさせたアルコールが、ようやく肝臓で分解されます。このときにできるのが「アセトアルデヒド」という物質です。このアセトアルデヒドが厄介なヤツで、頭痛や吐き気などをもたらします。飲みすぎたあとは、アルコールの分解に時間が掛かるため「酔い」が長く続き、アセトアルデヒドが多くできるために強い頭痛や吐き気に苦しめられるということなんですね。

この厄介なアセトアルデヒドが分解されると「お酒が抜けた」状態となります。つまり、アセトアルデヒドが早く分解される人が、イコール「お酒に強い人」であると言えるのです。

日本人はもともとお酒に弱い人種だった!?

お酒を飲んだ私たちを苦しめるアセトアルデヒドを分解してくれるのが、体内にある代謝酵素である「ALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)」です。
この「ALDH2」がしっかりと働いてくれる人はお酒に強く、まったく働いてくれない人はお酒に弱いということになります。

「ALDH2」のタイプには、「活性型」と「低活性型」、そして「不活性型」の3つがあります
文字通り、アセトアルデヒドを速やかに分解するもの、分解する能力が弱いもの、そしてほとんど分解能力がないものという3つに分かれているのです。ほとんど分解能力がない「不活性型」のALDH2を持っている方が、いわゆる「下戸」というタイプです。

実は、こうしてALDH2のタイプがわかれているのは、実は日本人を含む黄色人種だけで、白人・黒人は全員が「活性型」タイプなんだそう。もともとは人種にかかわらず全員が「活性型」だったのが、人種が分岐していく過程でなぜか黄色人種のALDH2にだけ突然変異が起き、「低活性型」「不活性型」が生まれてしまったんだそうです。

黄色人種先輩に何があったのかはわかりませんが、そのせいで私たちはお酒に強い人弱い人、そして飲めない人にわかれてしまったのです。もう、何やってるんすか黄色先輩!!!って感じですが、ともあれ、そういうわけで、日本人は遺伝の都合上、お酒に弱い人(強くない人)が多い宿命にあるのです。日本人の56%が「活性型」、40%が「低活性型」、そして「不活性型」が残りの4%となるそうです。

アルコール耐性は遺伝を乗り越えてあとづけできるのか?

と、長い前フリを経てここからが本題なのですが、すでに察しがついた方も多いのではないでしょうか。

「お酒に弱い人が鍛えることでお酒に強くなれるのか」という疑問は、「ほぼなれない」が正解です
ALDH2は遺伝によって受け継がれてきたもので、つまりアルコール耐性はひとりひとりが生まれ持ったものなのです。あとから鍛えることで強くなれるものではないのです

「ほぼ」と敢えて入れたのは、「強くなる可能性がある人」はいるから。例えば、両親が「活性型」と「低活性型」だった場合、お酒を飲む経験が増えることでお酒に強くなっていくということもあるんだそうです。また、「自分は飲めない」と思い込んでいる人が歳を重ねていく中で「実は飲める」ことに気づくというパターンもあるようです。

しかし、一般的に見れば「お酒に弱い人が強くなることはない」と考えるのが妥当です。ましてや、「鍛えることでアルコール耐性をつける」というのはありえないと思っておくほうが良いでしょう

筆者の個人的な解釈でいえば、しばらくお酒を飲まない日々が続いたあとにお酒を飲むと弱くなっている気がしてしまいます。
すなわち、お酒に苦しめられずに楽しむためには、毎日とは言わずとも、適度に楽しみ続けることが大事なのかなと思います。

くれぐれも無理をせず、飲み過ぎ注意で!!

3割が「自分はお酒に強い」と思っている!

体質に関するアンケート
 対象条件:日本全国の20代~60代のモニターさん
 回答者数:1365人(調査日:2019/5/24~5/26)

自分はお酒に強いと思う?

ボイスノートの20代から60代の方に、自分はお酒に強いと思うか聞いてみました。
「思う」と答えた方は31.4%でした。

また、同じ方々に「(もっと)お酒に強くなりたいと思うか」を聞いたところ、こちらを「思う」と回答した方は22.5%となりました。

筆者は昔からお酒には強いほうだと自負していたのですが、飲む機会が減ったのと、歳を重ねてしまったのとで、どんどんお酒に弱くなってきています。
ずっと飲み続けていてもまったく動じなかったアノ頃に、戻れるものなら戻りたいぜ・・・(遠い目)

編集部員U編集部員U自分をキリウリしつつ記事を作りまくってきたボイスノートマガジンの最古参。定期券、落としたらダメよ!